コラム
2026.10.16
研究・専門コラム
受精障害に関する研究報告 ― 大学見本市への参加を通して
第1回目は、私のライフワークである『受精障害』について、現在進めている研究の進捗のお話をさせて頂きます。研究内容の詳細については、次回以降のコラムでお話します。
2026年8月27日に東京ビックサイトの『大学見本市』に、共同研究をしている浜松医科大学の先生と共に参加してきました。大学見本市とは、全国の大学や公的研究機関等から創出された研究成果の社会還元、技術移転を促進すること、及び、実用化に向けた産学連携等のマッチング支援を実施することを目的とし、2004年から知財活用支援事業として国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が開催しています。
参考:大学見本市公式サイト
当院で、以前より研究している『質量分析法による受精障害症例の精子におけるタンパク質発現の相対定量解析』について、受精関連タンパク質を複数同定しており、今後の男性因子による受精障害症例の選別方法の実用化に向けて少しずつ前進しており嬉しく思っております。研究にご協力いただいている患者様には重ねて感謝いたします。
大学見本市では、興味を持っていただいた多くの企業の方々とお話をすることができ、大変刺激となった1日となりました。まだまだ課題が多くありますが、今後の商品化実現に向けてさらに研究に取り組んでいきたいと思います。
得られた成果は、治療前に適切な受精方法の選択が可能になることで、初めてART治療をされる患者様が“体外受精”・“顕微授精”のどちらを実施すべきかの判断基準となるだけでなく、新たな不妊治療法を開発するきっかけとなります。また、不妊症患者様の精神的負担や金銭的負担を軽減するだけでなく、待ち望む挙児への近道になることが期待されます。少しでも皆様にお役立ちできれば良いと思っております。
山口ARTクリニック 山口貴史


